先日、休眠担保の抹消手続きを行いました。
少し実務的な話なのですが…あまり実務本などを見ても載っていないことだったので書いてみます。
今回、抹消した抵当権は、大正時代に設定されたもので、抵当権者は昭和初期に設立された合名会社(持分会社)でした。
この法人は、登記上では存続期間10年となっていましたが、解散登記がされないまま社員の方は全員亡くなっており、実際に10年で解散していたのかは今となっては不明です。
もちろん、法人の状況を知る者も、把握できる書類も何もないような状態でした。
合名会社にはみなし解散はありませんから、登記は当時の状態のまま現在まで残っており、この場合、形式上は当該法人はいまだ存在しているものとして扱われてしまいます。
仮に、抵当権者が所在不明であれば、供託などをして所有者が単独で抹消手続きすることが可能ですが、登記が残っている法人には所在不明が適用されないため、この方法で進めることはできませんでした。
結果として、この件は所有権に基づく妨害排除請求として抵当権の抹消登記の請求を行い、併せて、特別代理人の選任申立ても行っています。
今回の案件を通じて、清算人の申立てでも同様の手続きが出来ないかなど調べてみましたが、これ以上法人の実態について踏み込むと余計に時間がかかる可能性があり、また、清算人にかかる報酬も未知数なので、やはり特別代理人を申し立てて手続きを行う方が早くて安価なのだと思います。
裁判所によっては、法人の清算手続きのうち、特定の業務のみについて清算人を申し立てるというような、スポット的な運用もしているそうですが、それでも清算人報酬は着手してからでないと分からず、場合にとっては数十万円かかる可能性もあるそう…。
(特別代理人への報酬は平均10万円程度が相場です。)
不動産登記にまつわる法律や規則は、当時のものと現在ではだいぶ変わっているので、色々な意味で大変勉強になりました。(設定者が債務者の場合には債務者の表示がない…!)
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